25.Emotional Communication エモーショナル・コミュニケーション

 

Emotion エモーション、「感情」と訳されますが、感情と言うと、「感情に流される」「感情を表に出さない」とか、一般に理性に相対するものと考えられがちで、ビジネスの世界では、如何に私情的感情を排除するかが、出来る人間のスタンダードとされています。

ところが、ストレスは、感情が起こしているのです。当たり前ですが、感情と違うことをするとストレスが溜まります。でも実際、ビジネスが出来る人は、感情をそんなに押し込めているのでしょうか???となると、出来る人ほどストレスを溜めていることになります。じゃあ、ポジションの高い人ほど、ストレスの許容が大きいのでしょうか???私は、感情を知性で押さえ込むのではなく、知性(言葉で伝えようとしている内容)を感情によって情報としてより上手に伝えること、そして、情報を上手に受信して、知性をより理解する手段として相手が感情で伝えていることを利用するのが円滑なコミュニケーションを促進し、ストレスを上手にコントロールする秘訣だと思っています。

(日本語の語感で「感情」というと、非論理、ビジネスと無関係と思われがちなのでその語感がない様、、私の話の中では、今後あえて、カタカナで、エモーションと呼ぶことにします。)

 

幼児をあやす時、言葉は理解できないので、顔の表情や、声のトーンで、自分たちの状態を伝えます。いわば、エモーショナル・コミュニケーションだけで、会話しています。「危ない」、「だめ」、「うれしい」、「敵じゃない」などの情報を、伝達します。子どものうちは、言語習得が進んでいないので、コミュニケーションの殆どを、相手のノン・バーバル、すなわちエモーショナル・コミュニケーションで捉えます。コミュニケーションを研究している学者は、人間のコミュニケーションは、言葉、話し方、ボディーランゲージで構成され、伝達上の重要度として、言葉は7%、話し方38%、ボディーランゲージ55%であると発表しています。子供の例がこの仮説を分かりやすく例示しています。

 

仲の良い友人との会話は笑いも多く、楽しくポジティブに共感することが多い。観察してみると、顔の表情とか、手の動きとかより大きくなって、相手に言葉の内容以上に、自分のエモーションを話し方や、ボディーランゲージで伝え合い(注:今後、エモーショナル・コミュニケーションを話し方、ボディーランゲージと規定します。人によっては、非言語的コミュニケーションと呼びます。)、相手もそれを確認するかのように、大きなエモーショナル・コミュニケーションで返します。

 

さらに、学校のクラスや職場の中で、雰囲気が明るいとか、暗くなるとかの状態を経験したことは多いと思います。悲しい映画を見て、映画館全体がそのような気持ちになったりもします。病院で肉親の死に立ち会った人を見ると、その悲しみが、周りの人に伝達します。これは、まさに言葉ではなく、エモーショナル・コミュニケーションがその社会に影響を及ぼしている例です。

こうして、エモーショナル・コミュニケーションについて改めて考えてみると、言葉と同等、またはそれ以上に社会に与える影響が強いことが分かります。また、人間は社会的動物である以上、その社会の中で異端過ぎると、変人扱いされ、その社会から脱落させられる仕組みになっています。ある意味、その社会から脱落する恐怖がストレスの一つともいえます。

 

さて、テーマであるメンタルタフネスと、エモーショナル・コミュニケーションとの関係ですが、自分のエモーションは、知らず知らずエモーショナル・コミュニケーションに表現され、第三者に伝わるということと、逆に第3者のエモーションもエモーショナル・コミュニケーションにより、自分自身が影響されると言うこと。この2つの重要性、特に、このことをどう応用していくのかが、次からのテーマになります。